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コレクション: ニューエイジ|NEW AGE
内側の宇宙を起動せよ。




ニューエイジ文化
ニューエイジ(New Age)は、1960年代後半から1970年代にかけて、精神性や自己探求、自然との共生、音楽・芸術・ファッションなどを通じて若者文化に影響を与えた思想・ライフスタイルの潮流です。西洋のオカルトや神秘主義、東洋思想、ヒッピー文化、心理学などの要素を融合させ、個人の内面の成長や霊的覚醒、環境意識を重視することが特徴です。
海外ではアラン・ワッツ(東洋思想を西洋に紹介)、クリシュナムルティ(個人の意識と自己探求の哲学)、アレイスター・クロウリー(オカルト・神秘主義)、ジョン・レノンやビートルズの音楽、ジム・モリソンやグレイトフル・デッドのサイケデリックロックが、精神性や内面探求の要素を若者文化に浸透させました。また、作家パウロ・コエーリョは、個人の内面の成長や精神性を重視する文学作品でニューエイジ思想を広めました。さらに、建築家・発明家のバックミンスターフラーは、自然と人間の共生を目指したジオデシックドームや総合設計理論を通じ、テクノロジーと環境意識の融合という思想面でニューエイジ文化に影響を与えました。
アメリカの思想家・活動家であるスチュアート・ブランド(Stewart Brand)は、1960年代から1970年代にかけてヒッピー文化とテクノロジーの接点を作り、環境意識やデジタル技術の発展に大きく寄与しました。彼は『Whole Earth Catalog』を通じて、ニューエイジ的価値観、テクノロジー、自己表現のツールを若者に紹介し、シリコンバレーの創造的コミュニティの形成にも影響を与えました。
日本でもニューエイジの思想は若者文化に影響を与えました。禅思想を西洋に紹介した鈴木大拙は、瞑想や内面探求の重要性を広め、スピリチュアルや自己探求の潮流に大きな影響を与えました。音楽面では、喜多郎のシンセサイザーや電子楽器を駆使した瞑想的で自然を感じさせるサウンドが、日本国内だけでなく世界の若者やリスナーに影響を与えました。また、YMO(Yellow Magic Orchestra)は、1978年に結成された日本のテクノポップ/エレクトロニック音楽グループで、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人がシンセサイザーや電子楽器、コンピュータ音楽を駆使し、ニューエイジ的要素を取り入れた音楽を世界に発信しました。YMOの音楽は瞑想的で環境音楽的な側面を持ち、電子技術を活用して精神性や内面探求を音楽として表現しました。
さらに、ニューエイジ文化はコンピュータやパーソナルコンピューター、デジタルテクノロジー、インターネットを誕生させ、発展させた側面とも深く結びついています。1970年代、アメリカのシリコンバレーのヒッピーたちは、精神性や共同体志向、創造性を重視するライフスタイルを実践しながら、パーソナルコンピューターやネットワーク技術の開発に取り組みました。この環境が、電子楽器やシンセサイザーの発展、アンビエントやヒーリング音楽の創作、コンピュータグラフィックやデジタルアート、インターネットを活用した情報共有の基盤を生み出すきっかけとなりました。SNSやオンラインコミュニティの登場により、ニューエイジ思想やライフスタイルは国境を超えて広まり、若者文化における精神性の重要性をさらに強めました。
服装や生活面でも影響は見られ、サイケデリック柄や民族衣装、ゆったりしたシルエットの衣服が人気となり、雑貨やインテリアでは自然素材や手作り感が重視されました。パーソナルコンピューターやデジタル技術、インターネットの誕生により、音楽、アート、学び、情報共有がより身近で実践的なものとなり、世界と日本の若者文化に深く根付いたニューエイジの潮流が形成されました。
ニューエイジ文化は、単なるファッションや音楽の流行ではなく、思想、精神性、テクノロジーを含めた若者のライフスタイル全体に関わる文化潮流として、現代の自己啓発、ウェルネス、スピリチュアル文化にも影響を与え続けています。


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