コレクション: 1950s

光と影、若者は何かを求めていた


1950年代
ロックンロールとアメリカン・ゴールデンエイジ

1950年代の若者文化は、戦後の復興とともにアメリカを中心に花開いた、ポップでエネルギッシュな時代の象徴でした。大量生産・大量消費の社会が始まり、若者たちは大人とは異なる自分たちだけのスタイルや価値観を求めて動き出します。ロックンロールが鳴り響き、エルヴィス・プレスリーやジェームズ・ディーンがカリスマとして登場し、自由と憧れの象徴となりました。ファッションでは、ボビーソクサーやアイビールック、レザージャケットにジーンズなどが流行し、それぞれが個性と解放を表現しています。さらに、文学の世界ではジャック・ケルアックやアレン・ギンズバーグらによるビート・ジェネレーションが登場し、物質主義や体制への反発、そして精神的自由を追い求める姿勢が多くの若者に影響を与えました。

一方、日本でも戦後の復興とともに若者文化が芽生え始めました。アメリカ文化の影響を受けながら、銀座のダンスホールやジャズ喫茶が流行し、学生たちはウエスタンスタイルの服やリーゼントヘアで自分たちの個性を表現しました。ロカビリー・ブームの中で登場した平尾昌晃やミッキー・カーチスなどのスターは、日本の若者に新しい憧れの形を示します。また、映画では小林旭や石原裕次郎がスクリーンに登場し、「太陽族」と呼ばれる世代が登場しました。彼らは戦後の閉塞感を破り、都会的で自由な生き方を象徴する存在として注目を集めたのです。

ドライブインやソーダファウンテンで語り合うアメリカの青春も、ジャズ喫茶で語り合う日本の若者たちの夜も、そこには新しい時代の鼓動が確かに響いていました。1950年代は、音楽・ファッション・文学を通して、若者文化が初めて「ひとつの世代の力」として社会に影響を与え始めた、原点の時代だったのです。

1950年代

世界:戦後の復興で消費文化が拡大。 若者が「ティーンエイジャー」として独立した存在に。

アメリカ:ロックンロール誕生、ジーンズやレザーが若者の象徴。

日本:太陽族が注目を集め、映画や小説で話題に。白黒テレビが家庭に浸透。

1950年代

太陽族(石原慎太郎『太陽の季節』に象徴される享楽的な若者)。

ダンスホール、ロカビリー熱。

学生運動の初期的な芽生え。

音楽系
1950年代の若者はロックンロールに夢中!
アメリカのエルヴィスに憧れて、ミッキー・カーチスや平尾昌晃が人気に。
銀座や日比谷では「ロカビリー族」がジュークボックスで音楽を楽しみ、リーゼントヘアや革ジャンで自由を表現していたよ。

ファッション系
男子はリーゼントに革ジャン、ジーンズが定番。
女子はフレアスカートに白ソックス、ローファーのボビーソクサースタイル。
さらに『太陽の季節』で話題の太陽族は、開襟シャツにチノパン、サングラスで都会的で自由な装いを楽しんだんだ。

遊び・ライフスタイル系
若者たちはダンスホールやジャズ喫茶で仲間と集まり、映画や音楽を楽しんだり、海や街で車やバイクに乗って遊んだり。
1950
年代は「自由に遊ぶ」「好きなことを楽しむ」が若者文化のキーワードだったんだ。

1950年代

ロカビリースタイル
アメリカのロックンロール文化に影響を受けた若者たちのスタイル。リーゼントヘア、革ジャン、ジーンズ、サドルシューズが定番。銀座や日比谷で「ロカビリー族」と呼ばれる若者が出現し、音楽と共に街を彩った。

アメリカンカジュアルの浸透
米軍基地文化や映画を通じて、Tシャツ・ジーンズ・スカジャン・スタジャンなどが広まる。「アメリカ屋」などの輸入品店が流行の発信源となる。

映画スター・ファッションの模倣
ジェームズ・ディーン、マーロン・ブランド、エルヴィス・プレスリーなどのスタイルが憧れの的。白Tシャツにジーンズ、レザージャケットという“反逆児”ファッションが定番化。

ボビーソクサースタイル(女子)
フレアスカートに白ソックス、ローファーやサドルシューズを合わせたアメリカ風スタイル。ダンスホールや喫茶店で青春を謳歌する女子の象徴的ファッション。

太陽族スタイル
石原慎太郎の小説『太陽の季節』(1956年)と映画化により登場した新世代の象徴。海や車、ナイトクラブを舞台にした自由奔放で享楽的な若者たち。男子は開襟シャツにチノパン、サングラス。女子はノースリーブやサマードレスなど、リゾート感のある装い。既成社会への反発と都会的なライフスタイル志向が特徴。

ダンスホール・カルチャー
ジャズやロカビリーを踊る場として、音楽とファッションの発信地に。男性はスーツスタイル、女性はフレアスカートやワンピースが主流。

雑誌・映画による影響
『平凡』『明星』『若い季節』などが流行を伝えるメディアに。映画はファッションの教科書であり、銀幕のスターが流行を牽引した。

和洋折衷スタイルの広がり
経済的にまだ豊かではない時代、洋服に和の要素を混ぜた独自のスタイルも多く見られた。改造学生服やスカートで自分らしさを表現する若者も登場。

ビートジェネレーション的影響(知識層)
ジャズ喫茶や詩の朗読会を好む若者たちが現れ、内面的自由を求める動きも。黒のタートルネックやスラックス、サングラスなど、知的で前衛的な装いが象徴的。

アメリカが青春だったゴールデンエイジと呼ばれた時代。エスピースでは、1950年代のティーンエイジャーが輝く様々なカルチャーをご紹介していきま〜す。ロックンロールカルチャーにビートカルチャーなど若者に影響を与えた様々なカルチャー紹介やフィフティーズムード満載の50年代から80年代の希少ヴィンテージ雑誌や書籍などのモノをメインにセレクトしました。ぜひ楽しんでくださいね〜!