コレクション: ヘビーデューティー|HEAVY DUTY

ヘビーデューティー文化

ヘビーデューティ(Heavy Duty)カルチャーは、アメリカの労働者やワークウェアにルーツを持つ、耐久性のある実用的なファッションスタイルから派生した若者文化です。元々は鉱山労働者や工場労働者、カウボーイなどが着用していたデニムのジーンズ、ワークジャケット、チノパン、ブーツといったワークウェアを基盤としており、丈夫で機能的な服装は労働現場だけでなく、アウトドアや日常生活にも適応するものでした。さらに、耐久性や実用性に加え、ラギッド(Rugged)と呼ばれるタフで男らしい雰囲気も重視されていました。

1960年代から70年代にかけて、アメリカンワークウェアやジーンズ文化は日本の都市部の若者に浸透しました。アウトドアやキャンプ、ハイキングなどの活動と結びつき、自然環境を重視する自然志向のライフスタイルに適応した着こなしが広まりました。また、アイビーリーグ由来のアイビースタイルやプレッピースタイルの要素を取り入れることで、カジュアルながら上品で知的な印象を持たせるスタイルも生まれました。

1976年には雑誌『メンズクラブ』のヘビーデューティ特集号が発行され、アメリカンワークウェアとアイビーの要素を融合させたスタイルが紹介され、都市の若者文化に大きな影響を与えました。同じ年に行われたヘビアイ宣言により、ヘビーデューティとアイビーの要素を融合させた「ヘビアイ(Heavy Eye)」スタイルも注目されるようになりました。

1977年には、ファッション評論家の小林泰彦による『ヘビーデューティーの本』(初版、婦人画報社)が出版され、ヘビーデューティカルチャーの特徴やスタイリング方法が詳しく解説され、日本の若者文化における重要なファッションスタイルとして確立されました。その後、小林泰彦氏は『ヘビトラ大図鑑』(2024年初版)を出版し、アメリカントラッド(American Trad)とヘビーデューティを融合させた「ヘビトラ」スタイルを包括的に紹介しました。これにより、ヘビーデューティやアイビー、ラギッドな要素を取り入れた自由で実用的かつ知的なスタイルがさらに広まりました。

こうして、ヘビーデューティカルチャーは日本において、単なる作業着としてではなく、アウトドアやアイビーの要素を取り入れ、ラギッドなタフさや自然志向のライフスタイルとも結びついた、自由で実用的かつ知的な若者のライフスタイルの象徴として定着しました。小林泰彦氏の雑誌や著作は、この文化の普及に大きく貢献しています。


 

 

 

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