コレクション: 〜1930s
アメリカで若者文化が動き出す
1900~1930年代
若者文化の誕生とモダンの夜明け
20世紀初頭のアメリカでは、産業と都市の発展が急速に進み、農村から都市に移り住んだ若者たちが新しい余暇を楽しみ始めました。野球観戦やダンスホール、ラグタイム音楽に親しむ習慣は、彼らに「大人とは異なる世代意識」を芽生えさせます。自動車の普及は移動の自由を与え、映画館や遊園地が若者たちの社交の場となりました。第一次世界大戦期には、ラジオ放送が徐々に広まり、音楽やニュースがリアルタイムで届く新しい体験が、若者の暮らしを変えました。
1920年代に入ると、アメリカは「狂騒の時代」と呼ばれる繁栄の絶頂を迎えます。禁酒法によって生まれたスピークイージーには若者が集い、ジャズに熱狂しました。女性はフラッパーと呼ばれ、短いスカートやボブカットで自由と自立を体現し、男性も新しいダンスやファッションで自己表現を始めます。ラジオは家庭に欠かせない存在となり、映画は無声からトーキーへ移り変わり、ハリウッドスターに憧れる若者文化が一気に広がりました。テクノロジーの進化そのものが、若者のライフスタイルと価値観を形づくったのです。
同じ頃の日本でも、日露戦争後の都市化が進み、寄席や活動写真に夢中になる若者が増えました。大正時代には「大正デモクラシー」の自由な空気の中、カフェや浅草オペラが若者たちの社交場となります。1920年代には関東大震災からの復興とともに、銀座や浅草に映画館やダンスホールが次々と誕生し、モダンガールやモダンボーイと呼ばれる世代が登場しました。西洋風のファッションに身を包み、ジャズ喫茶で音楽を楽しみ、タイプライターや蓄音機といった新しい技術に触れながら、近代的な若者文化を築き上げていきました。
この1900~1930年代は、アメリカでも日本でも「若者が大人と異なる存在として文化を共有し、テクノロジーを通じて結びついていった時代」でした。都市の成長とともに広まった映画、ラジオ、自動車、音楽機器は、単なる便利さを超えて、若者たちが「自分たちの時代の声」を表現するための舞台となったのです。そして、若者文化が動き出したのです。
~1930年代
世界:大恐慌の影響で多くの国が不況に。ジャズや映画が国境を越えて広がる。都市文化やモダンアートが発展。ジャズや映画が若者文化に浸透し、活気ある娯楽が登場。
アメリカ:スウィングジャズ、ダンスホール文化が人気。ハリウッド黄金期。ラジオが大衆文化を拡大。ラジオの普及で音楽や映画が若者に広く届く。
日本:都市部中心にモダンで国際的な文化が若者の間に広がり、モダンガール(モガ)・モダンボーイ(モボ)が洋装や帽子、パーマスタイルを楽しむ。都市部のジャズ喫茶や映画館、ラジオ、雑誌文化が若者の娯楽の中心となった。ジャズや映画を通じて「新しい生活様式」と「自由なスタイル」が芽生えた時代。日本では特に雑誌や映画、ジャズ喫茶が若者文化の核となる。
~1930年代
はっきりとした「サブカルチャー」はまだ形成されていないが、モダンボーイ(モボ)、モダンガール(モガ)が登場し、西洋的な装いやダンスホール文化が若者の間で流行。
ジャズ喫茶の始まり、カフェ文化(銀座・新宿など都市部の若者が集う場所)。
音楽系
~1930年代:ジャズ喫茶
ファッション系
~1930年代:西洋服スタイル、洋髪ブーム、モダンガール・モダンボーイ文化
遊び・ライフスタイル系
~1930年代:カフェ文化、ダンスホール遊び
~1930年代
モダンガール(モガ)/モダンボーイ(モボ)
洋装、ロイド眼鏡、セーラーパンツ、帽子、ハイヒール、パーマ、ショートカット、ルージュ。都市部モダンスタイル。
ジャズカルチャー始まり
ジャズ喫茶、ダンスホールでのジャズ演奏に触れる紳士淑女的なモダンファッション。
若者文化が動き出した時代!ジャズエイジからスウィングの時代へ。そして、モダンボーイとモダンガールの世界も魅力的ですね!エスピースからは若者が魅了したジャズ文化にまつわる面白いモノをセレクトしていきますね〜!