コレクション: ボビーソクサー|BOBY SOXER
ボビーソクサー文化
ボビーソクサーとは、1940年代のアメリカで流行した、くるぶし丈の白い靴下「ボビーソックス」を履いた若い女性、特にティーンエイジャーのことを指します。プリーツスカートやカーディガン、サドルシューズやローファーを組み合わせたファッションは、健康的で活発な印象を与え、元気いっぱいの青春らしさを表現していました。髪型はポニーテールやゆるくカールしたボリュームヘアが定番で、動きやすくも可愛らしい雰囲気を演出していました。また、フランク・シナトラのコンサート会場では、彼女たちが黄色い声をあげて熱狂する姿がよく見られ、ボビーソクサーは当時のティーン文化の象徴となっていました。
50年代には、Aラインスカートやペタ靴、ジーンズやカラフルなカーディガンなど、よりカジュアルでポップなティーンファッションが広がり、ダンスホールやソックホップパーティで友人たちと集まり、音楽やファッション、髪型を楽しむ文化が生まれました。こうしたパーティでは、元気で明るいボビーソクサーたちが中心となり、アメリカの若者文化を象徴する存在となりました。
映画『アメリカン・グラフィティ』は、1973年に公開されたジョージ・ルーカス監督の作品で、1962年のアメリカの田舎町を舞台に、若者たちの一夜の出来事や青春の日常を描いています。夜のドライブやソックホップパーティ、ダンスホールでの集まり、街角の会話など、当時のティーン文化や自由で活気ある青春の雰囲気がリアルに再現されており、ボビーソクサーのファッションやライフスタイルと深く結びついています。
日本では1970年代から80年代にかけて、雑誌『MC Sister』などでボビーソクサースタイルが紹介され、白いソックスにサドルシューズやローファーを組み合わせたアイビールック、ポニーテールやカールをつけた髪型、カーディガンとプリーツスカートといった学生らしい健康的で可愛らしいファッションが若い女性の間で人気を集めました。アメリカの50年代ティーンファッションやロックンロール・ソックホップ文化、映画『アメリカン・グラフィティ』に描かれる青春の雰囲気、髪型やサドルシューズのスタイルを受けつつ、日本独自の清楚で上品な可愛らしさを巧みに融合させたボビーソクサースタイルは、当時の女子高校生たちにとって憧れの象徴となり、学生ファッション誌やカルチャーに大きな影響を与えました。元気で活発、でもどこか品のあるその姿は、まさに青春そのものを体現するファッションだったのです。

