コレクション: ヒッピー|HIPPIE

ヒッピー文化

1960年代後半、アメリカ西海岸を中心に広がったヒッピー文化は、「愛と平和」を掲げ、大量消費社会やベトナム戦争に反対する若者たちのライフスタイルから生まれました。カラフルなサイケデリックファッションやベルボトム、タイダイ染めのシャツ、花やビーズを身につけるスタイルは、従来の価値観を壊し、自由と自然回帰を象徴しました。

音楽はヒッピー文化の核であり、社会や若者の心を強く動かしました。プロテストソングで時代を象徴したボブ・ディラン、魂を叫ぶように歌ったジャニス・ジョプリン、幻想的なサウンドでサイケデリックを体現したピンク・フロイド、さらには平和を訴え続けたジョン・レノンなどが象徴的な存在です。1969年のウッドストック・フェスティバルは、音楽と平和思想が一体化した歴史的瞬間として記憶されています。

アートでは、アンダーグラウンド漫画の先駆者ロバート・クラムや、鮮やかなサイケデリックアートで知られるピーター・マックスが若者文化を彩りました。思想面では、自然回帰や共同体生活を志す動きが盛んになり、のちにアップルを創業するスティーブ・ジョブズもヒッピーの思想から影響を受けました。また、DIY精神とエコ志向をまとめた**『ホール・アース・カタログ』**は「もうひとつの生き方」を提示し、世界中の若者の指針となりました。

日本でも1970年代、フォークソングや学生運動、コミューン文化と結びつき、下北沢や新宿を中心にヒッピースタイルが浸透。その後の音楽フェスやオルタナティブ文化、自然志向の若者たちへと受け継がれていきました。