コレクション: シティポップ|CITY POP

シティポップ文化

シティポップとは、1970年代後半から1980年代にかけて日本で生まれた、都会的で洗練されたライフスタイルやムードを表現する音楽群を指します。ただし、当時は「シティポップ」というジャンル名は存在せず、アーティストたちは主にニューミュージックやJ-POPとして活動しており、こうした楽曲はシティミュージックとして紹介されることもありました。

都市生活者の恋愛や日常、夜景やドライブの情景を思い浮かべさせる楽曲が多く、ジャズ、ファンク、AOR、ソウルなどの要素を取り入れた滑らかで心地よいサウンドが特徴です。歌詞やサウンドは都会の夜や日常での恋愛、憧れ、少しの切なさを描くことが多く、当時の日本の経済成長期に生まれた豊かさや余暇文化とも密接に関係しています。

アルバムジャケットなどのビジュアルも音楽と一体化しており、永井博の鮮やかなグラデーションや海辺の風景、鈴木英人の光と影を駆使した都会的イメージは、シティポップとして後に呼ばれる音楽の世界観を視覚的にも支えました。

近年、シティポップはアメリカの若者を中心に再評価され、世界中の若者文化に影響を与えています。松原みき、山下達郎、竹内まりや、大滝詠一といった楽曲は、海外のストリーミングやSNSを通じて新たなファン層を獲得し、永井博や鈴木英人のアートとともに、音楽・デザイン・ライフスタイルのトレンドに再び大きな影響を与え続けています。