Welcome to The Culture Museum!|Made in U.S.A catalog
アメリカの憧れ、
Made in U.S.A catalog 展
カタログ文化の雑誌伝説 ー 日本の若者へ、アメリカ文化のカタログ化
日本のティーンエイジャーは、自然回帰のライフスタイルを求めた
1960年代の後半、日本の若者たちはそれまでのアメリカの上質なアイビーファッションを脱ぎ捨て、髪を伸ばしヨーロピアンなコンチネンタルファッションへと徐々に変化していった。
「コンチネンタルファッション」とは、1950年代から1960年代にかけてヨーロッパで流行した、上品でエレガントなファッションスタイルのことを指します。主に男性ファッションにおいて使用されることが多い用語です。 コンチネンタルファッションの特徴は、細身でタイトなシルエットやモノクロームのカラーリング、高級感のある素材などが挙げられます。また、アクセサリーを上手に使い、洗練された印象を与えることも特徴の一つです。 コンチネンタルファッションは、主にイタリアのファッションブランドやテーラーが中心になって発展しました。代表的なアイテムとしては、細身のスーツ、タイトなシャツ、細めのネクタイ、スリッポンなどが挙げられます。 現在でも、コンチネンタルファッションは、エレガントでスタイリッシュな印象があり、ビジネスシーンやフォーマルな場面で愛されています。
雑誌とは、一定の周期で刊行され、様々なトピックについて記事や写真、イラストなどを掲載した出版物のことです。雑誌には、ニュース、ファッション、ビジネス、スポーツ、エンターテインメント、科学技術、料理、旅行、趣味など、多岐にわたるテーマがあります。 雑誌は、一般的に月刊誌、週刊誌、隔週刊誌、季刊誌などの形態で発行され、定期購読や書店での販売など、様々な方法で入手することができます。また、最近では、オンラインでの電子書籍版も増えており、スマートフォンやタブレット端末で簡単に読むことができるようになっています。 雑誌は、読者が興味を持つ記事や情報を提供することで、エンターテインメントや知識の獲得、情報収集などの役割を果たしています。また、広告が多数掲載されていることが多く、商品やサービスの宣伝媒体としても重要な役割を担っています。 一方で、雑誌業界は、インターネットやスマートフォンの普及による読者のライフスタイルの変化や、広告収入の減少など、様々な課題を抱えていますが、依然として多くの人々に親しまれるメディアの一つです。 「カタログ雑誌」とは、商品やサービスの情報を集めたカタログのような形式の雑誌です。一般的に、衣料品や家具、家電製品、スポーツ用品、美容用品など、様々な商品の情報を掲載しています。
カタログ雑誌は、通販の普及とともに注目を集めるようになりました。通販サイトでは、インターネットを通じて商品の情報や写真を閲覧することができますが、カタログ雑誌は、紙媒体で商品を手に取り、実際に目で見て確認できることがメリットの一つです。 また、カタログ雑誌は、読者にとっても役立つ情報を提供しています。例えば、ファッション雑誌のようなカタログでは、トレンドのアイテムやスタイリングのアイデア、コーディネートの提案などを掲載しています。そのため、ファッションの参考にするだけでなく、自分に似合うアイテムを見つけることもできます。 最近では、カタログ雑誌もオンラインで提供されるようになり、スマートフォンやタブレット端末で簡単に閲覧することができるようになっています。これにより、より多くの読者に商品情報を提供することができるようになりました。
カタログ文化とは、商品やサービスを紹介するカタログを通じて、消費者と販売業者の関係を構築する文化のことです。カタログは、商品の詳細な説明や写真を掲載し、商品を選ぶ際に役立つ情報を提供します。また、カタログを通じて商品を購入することができるため、小売店舗がない地域でも商品を手に入れることができます。 カタログ文化は、19世紀から20世紀にかけてアメリカで発展しました。特に、シアーズローバックカタログが全国的な知名度を得たことで、カタログ文化はアメリカの文化に深く根付いたものとなりました。カタログは、当時のアメリカ社会の中で、商品の豊富さと購買力の高さを象徴するものとして、広く認知されていました。 現在では、インターネットの普及により、カタログはオンライン上で閲覧することが主流となっています。しかし、ヴィンテージカタログをコレクションする人々や、限定商品や特別なセール情報が掲載されたカタログを待ち望む人々など、カタログにまつわる文化は今もなお根強く残っています。
シアーズローバックカタログとは、アメリカの小売業者であるシアーズが出版していたカタログのことです。1888年に初めて発行され、シアーズの創業者であるリチャード・W・シアーズが手がけたものでした。 シアーズローバックカタログは、アメリカの家庭における日用品から、建築資材や自動車、農業用具などの幅広い商品を扱っており、全国にある小売店舗がない地域でも商品を購入することができました。そのため、アメリカの文化に大きな影響を与え、アメリカ史においても重要な存在となっています。 しかし、インターネットの普及に伴い、カタログの需要が減少し、2018年にシアーズは経営破綻しました。現在、シアーズローバックカタログは、ヴィンテージ商品としてコレクターの間で人気があり、オークションなどで高値が付けられることもあります。
ホールアースカタログとは、1968年にアメリカ合衆国で初めて発行された、環境問題や持続可能性を考えたライフスタイルを提案するカタログのことです。スチュワート・ブランドが編集長を務め、アメリカのサンフランシスコで発行されました。 ホールアースカタログは、エコロジカルな生活スタイルを提唱することを目的にしており、環境保護に関する情報や、オーガニックな商品、自給自足の生活に必要な情報などが掲載されていました。また、自然と共存するライフスタイルに関する情報や、地球上の多様な文化を紹介するなど、総合的なライフスタイル誌としても注目を集めました。 ホールアースカタログは、カウンターカルチャーに影響を与えた出版物の一つとして知られています。環境問題や社会問題に対する意識を高めるとともに、自然と共存するライフスタイルに興味を持つ人々に支持され、1970年代にはアメリカ全土に広がるムーブメントに発展しました。 現在でも、ホールアースカタログは多くの人々に愛され、環境保護やライフスタイルの変革に向けた啓蒙の役割を果たしています。
MADE IN USAカタログとは、アメリカ国内で製造された製品を紹介するカタログのことです。MADE IN USAは、「アメリカ製」という意味を持ちます。 MADE IN USAカタログは、アメリカ国内で生産された製品の品質や信頼性をアピールし、アメリカ製品を支持する消費者のニーズに応えることを目的としています。アメリカ国内で製造された製品には、高い品質や信頼性が求められ、また、製品を支持することでアメリカの経済活動や雇用に貢献することができます。 MADE IN USAカタログは、さまざまな製品を取り扱っており、服飾品、家具、食品、雑貨、工具、自動車部品などの製品が掲載されています。また、アメリカ国内で生産された製品には、独自のデザインや特徴があることも多く、その特徴も紹介されています。 最近では、環境問題に配慮した製品や、地域に根ざした製造業者が注目を集めるなど、MADE IN USAカタログに掲載される製品の幅も広がっています。
ヘビーデューティー(Heavy Duty)とは、「重い負荷に耐えうる」という意味を持ちます。ヘビーデューティーという言葉は、主に機械や自動車部品、工具、家電製品などの分野で使われ、高い耐久性や強度を持つ製品を表現するために用いられます。 ヘビーデューティーの製品は、通常の使用状況では耐えられないような重い負荷にも対応できるよう設計されています。たとえば、ヘビーデューティーな工具は、常に大きな力がかかる作業や、厳しい作業環境でも使用できるように作られています。また、自動車のパーツやアクセサリーも、ヘビーデューティーなものが存在し、トラックや重機など、重い荷物を運搬する車両に使用されることが多いです。 「ヘビーデューティー」という言葉は、服飾分野においても用いられます。服の場合、通常の服よりも厚手で丈夫な生地を使用していることを表現するために用いられます。
ヘビーデューテーな服は、アウトドアウェアやワークウェアなどでよく見られます。これらの服は、過酷な自然環境での活動や、重労働を行う職業の人たちが着用することが多く、汗や汚れに強く、長持ちするよう設計されています。 また、最近では、ストリートファッションでも、ヘビーデューテーなアウターやパンツなどが人気となっています。これらのファッションアイテムは、過激なスタイルや耐久性の高さが求められ、よりクオリティの高いものが選ばれる傾向があります。 ヘビーデューテーな服は、普段着としてだけでなく、アウトドアやスポーツ、仕事など、さまざまな場面で活躍することができるため、長期間使用することができ、コストパフォーマンスが高いとされています。 ヘビーデューティーという言葉は、製品の品質を表現するためにも用いられます。耐久性や強度が高い製品は、通常の製品よりも価格が高いことが多いですが、その分、長期間使用することができるため、コストパフォーマンスが高いとされています。
「ヘビーデューティファッション」とは、強靭な素材やデザインを用いた、丈夫で耐久性のあるファッションスタイルを指します。主にアウトドアやワークウェアなどのシーンで活躍するアイテムが多く、機能性や実用性を重視したデザインが特徴的です。 代表的なアイテムとしては、デニムジャケット、ワークシャツ、キャンバスパンツ、レザーブーツ、ダウンジャケットなどが挙げられます。また、ヘビーデューティファッションは、ワークウェアやアウトドアウェアとしての機能性だけでなく、ファッションとしての魅力も持ち合わせていることが多く、スタイリッシュな雰囲気も兼ね備えています。 ヘビーデューティファッションは、アメリカのワークウェアブランドやアウトドアブランドを中心に発展してきました。そのため、カジュアルなスタイルに欠かせないアイテムとして、現代でも多くの人々に愛されています。
「ポパイ」とは、日本の男性向けファッション雑誌の一つです。1976年に創刊され、当初はアメリカンカジュアルを中心としたファッション情報を提供していましたが、その後、スポーツや音楽、アート、カルチャーなど、幅広いテーマにも取り組むようになりました。 「ポパイ」は、日本の若者文化に深く根ざした雑誌として、多くの人々に愛されています。特に、1980年代から1990年代にかけては、ポップカルチャーとしてのアメリカンカジュアルを牽引する存在として、大きな影響力を持ちました。 「ポパイ」は、ファッション誌としての要素だけでなく、エッセイやインタビュー、写真などのコンテンツも豊富で、読者に多様な情報を提供することで、独自の世界観を築いています。また、現在でも、世代を超えてファンが多く、若い世代から中高年層まで、幅広い読者層を抱えています。
健康志向とカタログ消費で加速したライフスタイル
1970年代に本誌が提唱したのが、「ヘビーデューティー」。この言葉を初めて使ったのは、本誌で活躍したイラストレーターの小林泰彦氏。小林氏がアメリカのカタログなどで見た「HEAVYーDUTY」という言葉が当時のスタイルやアイテムを表現するのに適しているのではと考え、連載の「ほんもの探し旅」で75年から使いはじめたのが発端だ。 本来、この言葉は「丈夫で」とか「実用性本位の」という意味をもつ。アウトドアスポーツ用のマウンテンパーカ、ダウンジャケット、ワークブーツ、デイパックなどの一見ファッションとは無関係のアイテムを解説するときによく使われていた。アメリカで1968年に「Whole Earth Catalog」、日本で1975年に『MadeinU.S.Acatalog』が発行され、カタログ文化が日本で華開いたのも同時期。ベトナム戦争が終結を迎え、アメリカに戻った若者は、バックパックに荷物を詰め、街からアウトドアへと向かい、自然や健康を意識した。そうしたライフスタイルのなかで、自分が持つべきものをもう一度見直したときに、本物志向のアイテムや質実剛健なギア的なものにスポットが集まり、アメリカだけでなく、日本でも大きなムーブメントへと駆け上ったといえる。 その頂点といえるのが、1976年の11月号の「ヘビアイ党宣言」。「ヘビアイ」とは「ヘビーデューティー」と「アイビー」を合体させた造語で、アイビーの着こなしを解説するように、ヘビーデューティー的なスタイルをマニュアル化、体系化したのである。 マウンテンパーカのインナーにダウンヴェストを合わせ、ボトムスはブッシュパンツとワークブーツ。あるいはジョギングするときには、コーチジャケットにマーク入りのTシャツとジムショーツ、そして足元はナイキのランニングシューズを。それまで見たことがない、新鮮なアイテムが続々と紹介され、アメリカ製らしい“本物感”がひしひしと伝わってきた。街中に山男、山女が出現してテレビで特集されるほどの話題を集めた。76年のアメリカ建国200周年のアニバーサリーに合わせるように、アメリカからインポートのアウトドアブランドが上陸したのもこのころだ。 それまでの「アイビー」「トラッド」ベースのファッションの価値観を大きく変貌させたのが、まさしく「ヘビーデューティー」。現在のアウトドアブームのルーツもここにある。なおかつ小林氏の提唱した本物志向の動きが、90年代にかけて、フランスやイタリアなどの“本物”のインポートブランドの日本上陸、そして隆盛を導く礎になったことは間違いない。